SUS316L製機器に生じたESCCの緊急補修|カンメタコールドスプレーによる革新的補修

石油化学プラントにおけるSUS316L製機器の外面応力腐食割れ(ESCC)への補修技術としてコールドスプレーを検討すべく、お客様の方でテストを実施されました。

お客様の課題

SUS316L製機器に生じる割れ・減肉への既存補修技術においては様々な懸念がございます。

 ① 溶接などの高い入熱は鋭敏化による悪影響をもたらすリスクがあること

 ② 母材が既に著しく劣化しており、溶接による入熱がさらなる割れの伝播を引き起こすこと

 ③ 環境によっては防食溶射が適用できないケースがあること

 ④ 既に減肉が発生している場合、溶射では肉盛ができないこと

カンメタエンジニアリングの提案

以下メリットによりカンメタコールドスプレーが採用されました。

 ① 母材への高い入熱がなく、鋭敏化などの母材へのダメージを与えないこと

 ② 皮膜厚さにも制限がなく、更に厳しい腐食環境においても耐えられる環境遮断能力を要していること

 ③ 柔軟な施工ができるので既存機器への適用が可能なこと

 結果

✔検査会社よりESCCの割れに対する封孔(パッチ当て)処理としての有効性があると判断いただきました。

✔内部に残存する割れについては外面からのUT(超音波探傷)にて進展を定期検査可能です。

✔割れ部に対して厚膜かつ環境遮断能力が高いコールドスプレー皮膜で割れの表面を埋められます。

✔熱へのダメージが懸念されるSUSにたいしても悪影響を与えることなく積層させることができます。

✔既存機器の上から高性能皮膜でカバーが出来るため、定期検査及び定期施工を通じて機器更新が不要になります。